大きな鯛のお見舞い|占いと人生相談広島占い「真我占い館」
春、大きな鯛のお見舞い|占いと人生相談広島占い「真我占い館」春、大きな鯛のお見舞い|占いと人生相談広島占い「真我占い館」 倖田三山 文春は喘息が出やすいようです。木の芽時という昔からの言葉があります。木の芽が吹くころ、心や体が不調になりやすい事を意味しています。私たち夫婦にも、こんな木の芽時の思い出がございます。春大きな鯛のお見舞い(倖田三山・文)春初めは喘息が出やすい。占い師のS先生も、一昨日から胸がヒューヒュー音を立てていた。朝。私は、果物、野菜と買い、魚コーナーに。「おっ、鯛。でか!新鮮!」丸々として厚みがあって目がきれい。赤黒くて生き生きしてる。しかも、880円。いやいや、35センチはある。「今朝絞めで刺身用。よし!」「うん。お見舞い。」トレーを持ち上げるとずしりと重い。カートを押しながら、お菓子とスイーツを買った。家に帰ると家に帰ると、炬燵に顔を伏せていた。喘息は、横になると苦しいと言っていた。私は不安になった。「お見舞い!」と勢いよく出したかったが、「ただいま」と小さめに言って背中をさすった。S先生は、力なく笑いながら、「うん。大丈夫。酸素も脈も良いようだし。」私は、S先生の背中に耳を当てた。ヒューヒュー音がしている。布団にいた時から比べたら、薬のおかげだが、随分良くなってる。そう思うと、元気が出た。「お見舞い」と言って、炬燵の上にS先生が好きなお菓子や果物を並べた。それでも彼女は、低い元気レベル。にっこりして言った、「私の好きな物ばっかり。愛されてるのね。ありがとう。」「鯛のいいのがあったから、これもお見舞いに買って来た。」そう言いながら、キッチンへ行った。寂しかった。そっとしておくしかないのだ。次の日の朝私は愚かにもS先生が料理した鯛が食卓に出てくるのを期待していた。が、出てこなかった。以前なら、「刺身用なんだけどなあ」くらいは言っていただろう。と、「夜までには、料理しておきたかったけどできなかった。」と、笑顔のレベル3くらいでつぶやくように言った。私は、ハッとした。「(俺は、なんてやつなんだ!)」「(そうか。料理してこそお見舞いじゃないか。彼女の言葉で気が付いた。済まないと思った。これまでの事は取り戻せないが、今すぐからやろう。)」鯛料理、鯛を下ろす魚を洗い、シンクにまな板を置いた。昔の古いシンクだから、魚は端から端まである。うろこ取り器を動かす。バシバシ、バッバッと大きなうろこが寄ったり取れたり跳んだりする。煮魚はうろこが残ってると嫌だから、何度も裏返し、持ち上げ、指で確かめては、またうろこ取り器を動かす。いよいよ包丁だ。出刃包丁を出す。どうする?どこからどう切る。魚をおろすなんて実に久しぶりだ。忘れている。そうだ!ワタを出す。腹びれと腹びれの間を縦に切ろうとする。固い。ジョリジョリ、ジョリと何度も繰り返す。昔、彼女に習って魚をおろした記憶と感覚がよみがえり始める。「よし!」包丁がずれて手を切ったりしないように、力を込めながらも用心深く、ぐいっ。「白いんだ。そうだった。綺麗。」そう思った。腹の切り口が開いて、締め血抜きが完璧で汚れの無いワタが見えた。「(残酷ではない。神なのだ。だから、感謝。すべてに感謝。)」心に訴えながら、手を動かした。魚をさばく記憶は蘇った。が、現実の手さばきは歳のせいもあってぎこちない。魚の頭を落とす。と言ってもでかい鯛の骨は固い。固いから、骨と骨の継ぎ目を捜す。そこが切りやすい。これがまた、感覚と手さばきが連動しない。ゴジョゴジョとやる。すーっとできない。ふうー。それから、流水にして手の滑りに気を付けながら洗う。で、「忘れてた!換気扇を回さなきゃ」と手を洗った。家の外外は、三月の戻り寒。梅が風に散る。スイセン咲いて黄色く揺れていた。いや、緑の細長い葉が守るように揺れている。この休憩が良い。若い頃は、何でも一気にやったものだ。回復を願い思う先生はいつの間にか眠っていた。「暖房が効いたらしい。」起こさないように、首元の毛布を整えた。「この場面の先には、いつもの笑いがある。」そう強く言い聞かせて台所へ戻る。しばらく休憩してしっぽの方の皮と背骨の間に包丁を通す。じょりじょり。左手で、しっぽを持って、右手の包丁を付き通したまま、半身を切り離す。骨に当たる包丁の感覚がよみがえった。切り離した身の切り口は、やはりためらいながらやり直したと分かる。が、上々の出来。皮をはげば刺身になる。もう片方もやれば、三枚おろしになる。が、ここまでにして冷蔵庫に納めた。「先生、どうするう?」と居間のS先生に聞く。「もうちょっと寝るぅ」甘えてる。男としては、彼女の笑いや甘えが嬉しい。素のままの感情と振る舞いと表情が、嬉しい。何より、良くなってる!「よっしゃ、蒸し焼き。いい?」「お任せぇ!」とさっきより強い声が返って来た。「刺身はどこへ行った? アニサキスだもんね。」ひとり言。骨が付いた方の身に塩を振る。頭は固くて兜割りにできなかったので、そのまま塩を振った。フライパンに置いて蓋をする。レンジ点火。弱火30分。蓋を取る。湯気がばあーと顔に当たる。うまそうな鯛の香り。「出来たー!」ふたりカタコトカタコト、食卓を整える。並んでテーブルに座るのも嬉しい。「レモン?ユズ?」「このまま」「醤油?」「うん、醤油、ちょっと」「よっしゃ、ほんのちょっとね。あっ!」(笑)「(ぜーんぶやって、そして、嫌がられないことをもっとやって、さらに片付けも綺麗に綺麗にして、それがお見舞いなんだ。)」「(静かに優しい気持ちでいることも、お見舞いなんだ。)」「おいしーい。うふふ」「治ってる!」「だって、息が出来たら、良いんだもん。」「そうか。良かった。」「うふふ」私は、彼女の背中に回って耳を当てた。すると彼女は面白がって、息をしないで息をした振り。「おいおい。完全回復じゃ。ヒューヒューしてない。あれ?息しとらんじゃろ(笑)」「あはは、あはは」「やられたあ。あはは、先生にはにはかなわんなあ。(笑)」「お互い、元気でいましょうね。」「そうそう。歩けるようになったら、外を歩こうなあ。」「うん。桜も見たい。」「俺もだよ」彼女は、蒸し鯛をもぐもぐ。「ああ、美味しい。あなた、ありがとう。全部やってもらったね。」「おっ、その言い方!」あはは、うふふ。涙をこらえるために、二人で上を見て笑ってた。鶯先生「あっ、鶯。」耳を澄ますと、しばらくしてまた鳴いた。先生「ね、鶯でしょう。」「ありゃ、他に何も作らんかったねえ。」と言おうと思った矢先だったので、「本当だ。鶯だ。縁起がいい」頷いた。そして、ゆっくり「鯛の蒸し焼きを、二人で食べているんだなあ。」そう思ったのでした。占いと人生相談なら、広島占い「真我占い館」へ!広島占い 真我占い館 広島県三原市中之町4丁目19の26琉球四柱推命運命上級鑑定士 丹花咲多子の元気が出る占いです。[広島占いのお問い合せや、お申し込みはお気軽に!]お気軽にどうぞ。 080-5758-2084占い教室もございます。広島四柱推命占い教室 真我占い館〈夫婦カウンセリング〉結婚前、結婚後、離婚前、幸せ中、同棲中、希望のない二人中、セックスレス、仮面夫婦などなど。離婚後の次に備えた波動作りなどなどのご相談もどうぞ。広島、東広島、尾道、福山で当たる占いなら、琉球四柱推命の真我占い館(三原市)へ!
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